紀元前8世紀から前2世紀ごろ、
古代文明エトルリアが繁栄したことで知られるイタリア中部の街。
建築と装飾芸術において優れた技術を持っていたことから、
旧市街にはその歴史の跡を感じさせる建築が数多く残ります。
ここから車を1時間ほど走らせたところに「Cotto Etrusco」の工房は建っています。
この工房では、古来用いられてきた手作業による製法を今でも大切に守っています。
例えば一つ一つのタイルはフレームに粘土を押し固めることで形づくられます。
この工程を土の上で行うことで、表面に凹凸が生まれるのです。
また環境への取り組みも積極的に行っていて、
タイルを焼成するために使うのはサスティナブルなエネルギーだけ。
1回目は適正な方法で管理・伐採された薪を、2回目は太陽エネルギーを利用。
5種の釉薬と1000種を超える染料は、すべて天然酸化物を使用しています。
土の温もりを感じさせる重厚な素地、菱形や長方形のモダンなフォルム、
光によって表情を変える釉薬……。
アートやインテリアに造詣が深いクリエイターと、
確かな技術と経験を持った職人のコラボレーションにより生み出されるタイルは、
美しいだけでなく機能も兼ね備えています。
それが、住宅や商業空間をはじめ、
文化財・文化活動省の保護下にある教会や城などにも採用されている理由なのです。