タイルの原料となる土(粘土)は可塑性のある素材と呼ばれ、
用途に合わせて食器から花器、屋根瓦、洗面ボウルまで、様々なプロダクトに変化します。
タイルは、山で採れた“土”からつくられる天然素材が原料。
その産地には、窯業が盛んな“器”の名産地も多く見られます。
原料の土は水分の含まれる割合によって、粉状・粘土状・液状に変化します。
それぞれの状態に合わせた加工方法でタイルを成形していきます。
粘土からいろいろな形を生み出せるタイル。
作り手の想いとともに時代を越えた普遍的な美しさが宿っていきます。
粉状・粘土状・液状の土の加工方法はそれぞれ異なります。
例えば「粉状」の土は機械で圧力をかけることによって成形を行います。
「粘土状」の土は“ところてん”のように押し出したり、
機械で粘土を挟み込み凹凸や模様を形づくります。
「液状」の土は石膏で作られた型を用いて型の中に土を流し込み、
石膏に水を吸わせることで凹凸や立体的な成形をすることが可能です。
“焼き物”であるタイルは、火の扱いによっても表情を変え、
人の手の及ばない領域が、趣を一層深めてくれます。
乾燥させた生地を“サヤ”と呼ばれる板にのせ、1000℃以上もの高温で焼成していきます。
焼成により釉薬が溶け、ガラスのようにツヤツヤとした光沢が現れたり、
生地の強度が高まり、焼きもの特有の硬さを生み出す大事な工程です。
食器から花器、屋根瓦、洗面ボウルまで、自然から生まれた陶磁器たちは、
さまざまな場面で生活を彩っています。