洋服や身の周りにある生活用品の様に、タイルの世界にも流行やスタイルがあります。
多くの製品は一定期間の活躍を終えると生産が終了していきます。インクジェットなどの技術革新も相成り、年々製品数やジャンルの幅も発展し続けていますが、時代の変遷に囚われず本質的な価値を見出し続けている数少ない製品があります。平田タイルではもう20年近く販売し続けているXtremeという製品です。言わずと知れた定番製品ですが、不動の信頼を得続けているタイルの裏にはカタログ上ではご案内しきれない理由が存在しています。
今回は、そのXtremeが持つ目に見えない隠れた魅力を改めてご紹介したいと思います。
文化と共に育まれたオランダのタイル
Xtremeはオランダで生産が行われています。オランダはデルフトタイルなどで知られるように伝統的にタイル製造が盛んな国のひとつです。その歴史は遡ること400年以上にも及びます。
オランダにおけるタイル製造は長年にわたり地域の産業と雇用を支えてきましたが、時代が進むにつれ惜しくもタイル工場は減少の一途を辿っています。流行の源流となっているイタリア製タイルが主流となる中、独自の文化を基に140年以上変わらぬ品質を保ち誠実なものづくりを行う工場がオランダ南部、ほぼベルギー国境に近いマーストリヒトにあります。この地域では唯一のタイル工場となったこの地でXtremeは生まれています。
住宅からパブリックスペースまで最適な理由
まず、最大の特徴はダブルローディング(二層製法)を取り入れていること。
ダブルローディングとは吸水率を限りなく抑えたトップレイヤー(上層)と、接着強度を上げるためにわずかに吸水性を持たせたボトムレイヤー(下層)の二層で作られる製法です。
二層にすることで高い施工性がありながら、釉薬をかけずに素材本来の自然な表情を引き出すため繊細な色の表現が可能です。自然で深みのある色はベーシックでありながら空間をさりげなく、しかし確実に質を高め、洗練されたスペースへと引き上げます。
さらに無釉タイルは、駅や空港といった重歩行パブリックスペースにおいても摩耗による影響が少なく、耐久性に非常に優れています。実際に、アムステルダム駅やミラノ駅など多くの公共建築に採用されています。また店舗などでは主役である商品をさらに引き立てるようにグローバル展開する数多くのブランドショップで愛されています。
また素足で触れても肌触りが良いため、居住空間にもおすすめです。マットで品のある表面は滑りにくく人やペットの足にも負担が少ないのでゴシゴシ洗えるお掃除可能なタイルは生活シーンにも最適です。ベーシックな色はインテリアに馴染みやすく唯一無二の質感空間を上品に仕上げます。
変わらない価値と本質的な美しさ
現代ではタイル素材においても、木目調、メタル調、マーブル調など様々なスタイルが確立されるようになりました。その中でXtremeは一見何も特徴がない様にも見えますが、品格を備えた唯一無二の質感、そして素材がもたらすシンプルの中に潜む本質的な美しさは他に類を見ません。
また、そこには企業哲学やものづくりへの誠実さが垣間見ることができます。
環境問題にも意欲的に取り組み、生産現場ではタイル業界でCradle to Cradleの認証を初めて取得しました。
建築家や多くの設計者に長く愛され続ける魅力は、一貫したものづくりに対する理念と新しい感性と融合しながら発展し続ける姿勢にあるといっても過言ではないでしょう。
ぜひこういった背景に触れながら、Xtremeに触れてみることから始めてみませんか。
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