19世紀頃、イギリスで誕生したと言われているヴィクトリアンタイル。その技術を受け継ぎ、海を越えものづくりを行うタイル工房がアメリカ・ポートランドにあります。 日本から約8,000km、直行便で9時間、アメリカ西海岸・オレゴン州に位置するこの街は、
かつて理想郷を求めてオレゴンにやってきたヒッピーたちが移り住んだことから、ポートランド は他のアメリカの地域とは違う文化を創り上げてきました。 環境に配慮し生活の質を大切にする、大量生産よりもハンドメイド、自動車より自転車や歩行者を優先、地産地消にこだわる。現代では当たり前の”エコロジー”で”サステナブル”を1980年代から実践してきた、という意味でも世界から注目を集める存在です。
衣・食・住についても非常に豊かなこの街は、
この地にあるタイル工房は1980年代にこの街に魅了されたアーティスト夫妻によって設立されました。彼らが生み出す作品は、型に粘土を入れプレス機でひとつひとつ押し固めて素地をつくる、筆を使って絵付けをするなど、ハンドメイドならではの味わいがありながら、現代の住まいに合う洗練されたデザインと色使いで、多くの人を惹きつけています。
工房では若い世代の職人たちが数多く活躍しています。自由なクリエイションが息づくこの街で 大量消費社会から脱却し、自分自身の価値観に基づき、真に豊かなものを見極め追求する。その風土に育まれ、魅力あるものづくりの技術が受け継がれていくことでしょう。