紫陽花の花びらのように、有機的で立体的なフォルムをもつ「Suui」は、
美しい艶、淡い青磁色、貫入が織りなすグラデーションが、
どこか幻想的な雰囲気を漂わせています。
「日本のものづくりの素晴らしさにもう一度、目を向けたい。」
そんな思いから、BISCUITが愛知・瀬戸にある小さな食器工房と共につくり上げたタイルです。
▲瀬戸の古い風景が保存されている窯垣の小径
料理を美しく見せたり、手や口の触感に配慮したりと、
細やかで丁寧な仕事が求められる食器づくり。
▲食器作りの製法と同じように天日干しで乾燥させる
「Suui」には、歴史ある窯業地、
瀬戸で食器づくりに長年向き合ってきた工房の技術が生かされています。
▲窯入れでは1枚1枚重ならないように丁寧に棚板に乗せていく
たとえば「Suui」の美しい青磁色は、
食器に用いられる真っ白の白磁を素地に採用することで、
ガラス釉薬の繊細な表情を表現しています。
▲石膏型に流し込んだ粘土が固まったら型を開け、余分なパーツを削っていく
また、タイルをつくる手法は、一般的な食器づくりと同様の「鋳込み成形」を採用。
石膏型に粘土を流し込んで成形し、天日干しをした後、余分な粘土を削り取り、
釉薬をかけて窯で焼き上げるというすべての工程を、職人が手作業で行います。
▲1枚1枚タイル側面のバリを丁寧に取っていく
従来のタイルの製造工程と比べると、驚くような時間と手間をかけてつくられているのです。
一枚一枚表情が異なるタイルからは、手仕事の温かみが伝わってきます。
空間にあしらうことで、ふわりと包み込まれるかのような安心感を感じていただけるはずです。