タイルはインテリア、エクステリアに関わらず建物を守り、ライフサイクルコストの面においても優れた建材と言われています。
その主な原料は自然から採れる粘土からできており、安心な素材を使った建材として私たちの暮らしを支えています。
平田タイルでかねてより製造工程における無駄を省き、自然の恩恵である限りある資源を大切に使う取り組みを行って来ました。
今回その取り組みからさらに発展させ、どうしても生じてしまう廃棄されているタイルを再利用し、アップサイクルされたモザイクタイルとして製品化を実現しました。
陶磁器であるタイルはどうしても輸送中や保管取り扱い時に破損させてしまう場合があります。
また施工現場において取り寄せた予備の材料や使用済みのサンプル、在庫の端数や廃番にともない使い切れなかった材料もこれまで廃棄せざるを得ませんでした。
一度タイルとして完成した材料は処分するのも難しく、再利用されるケースはこれまでほぼ目を向けられてきませんでした。
私たちはこの問題に着目し開発を始めました。
廃棄タイルの再利用ではまず再びタイルの原料に戻すために細かく粉砕する必要があります。
粉砕機に何度も通し、粗い粒から徐々に粉状の粒子になるまで繰り返します。
タイルの寸法精度を保つ為にはこの粉砕された粒子の大きさが均一であることが重要になってきます。
最後に22時間ミルミキサーで回し、粒子の大きさが整うと乾燥を行います。
こうしてタイルの廃材はまた新しい商品の原料として生まれ変わります。
再生産された原料はプレスによって成形され焼成の工程に進みます。
今回開発したリサイクルタイル、テラクルではリサイクル原料を33%使用し、あえて表面に釉薬を施さずに土そのものを感じられる風合いに仕上げました。
焼成されたピースは手作業によってシート状に張り上げます。
乱形のモザイクは通常のモザイクと違い縦横のグリッドが無いため
色の濃淡や配置のバランスが偏らないように人の目によって調整されます。
こうして完成されたリサイクルタイルは再び建物を保護し、インテリア空間を彩る仕上げ材として再び長い役割を与えられます。
廃材を土に戻し原料化する、これはタイルだからこそ実現したリサイクルです。
この取り組みによって削減された廃材はまだまだ微量です。
私たちはこれからも自然から頂いた資源を大切に活用する取り組みを行っていきます。