タイルの特徴を知り、キッチンをお気に入りの場所に。
– 機能編 –
Know the features of tile and make your kitchen your favourite place

時代と共にキッチンはますます開放的な空間へと進化してきました。炊事場という料理を行う閉鎖的な場所ではなく、ダイニング・リビング空間とつながることで料理中もコミュニケーションを楽しめたり、カウンター越しに子供の様子を見たりと、空間の機能や使い方がより柔軟に広がっています。
同時にキッチンに対するインテリアの意識も高くなっています。素材や機能の選択肢が広がり、キッチンに自分の好きなものや個性を反映することで、開かれた場所でありながら愛着を持てるお気に入りの空間にすることができます。タイルはデザインが豊富かつメンテナンスなどの機能性に優れ個性を反映できる素材のひとつ。ですがどのデザインにすれば良いか、張り方や目地が何か、また実際の仕上がりを想像しづらい部分があるのも事実。特にコンロ・シンクまわりは水・油はね汚れに対するお手入れを前提にした選び方にした方が良いなど気を付ける点を知っておくと安心です。そこで今回はおすすめの形状や選定におけるポイントをいくつかご紹介します。

吸水しにくいタイル

吸水する=汚れも吸うということになります。吸水しにくいタイルの目安としては、施釉(釉薬がかかって)いるもの及びJIS分類上I類(3.0%以下)をご参考ください。
Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ類や施釉・無釉の分類は各メーカーのタイルカタログに記載されていますが、ご不明点はぜひお気軽にお問合せください。

▶︎同じシリーズで壁と床でサイズや色で張り分けると表情豊かに。Rockin’

面状にテクスチャがない

凹凸やテクスチャーがあるタイルは清掃性が悪く汚れが溜まりやすいので注意が必要です。キッチンでは、布巾でさっと拭けるような滑りの良いタイル表面だとお手入れも簡単に行えます。
▶︎ テクスチャはないがプリントで視覚的に立体感をつけることも可能。Azulej

大きいサイズのタイルを選ぶ

タイルそのものは汚れに強く劣化もほぼありませんが、目地については少しケアが必要です。大きいタイルを選ぶことで目地を少なくするというのも選択肢のひとつ。
また、内装床タイルとされているタイルを壁に使うのも有効です。床タイルは強度、清掃性ともに優れたタイルが多いので施工面積に適したサイズで選定すれば選択肢が広がります。また粒子が細かく汚れが定着しにくい目地材もあるので施工の際に合わせて選ぶと良いでしょう。

▶︎大判タイルを使い、目地のラインを壁と床で揃えるとすっきりとした印象に。Masterpiece

貫入の有無

貫入は焼きもの特有の意匠でありとても美しい表現である一方、貫入部への汚れが浸透するケースがあります。もちろんその点も味わいですが、もし気になられる方は貫入の特徴をご理解いただいた上で選定することをおすすめします。
日々のお手入れは水拭き程度で十分ですが、油汚れが気になり薬品を使用する際は目立ちにくい場所で変色等が発生しないことを試してから使用してください。また汚れが落ちにくい場合はメラミンスポンジの使用をおすすめします。
キッチンタイルの選び方について主にメンテナンスを重視したポイントをご紹介しましたが、お気に入りのデザインや意匠のタイルを優先させる選択肢ももちろんあります。選ぶポイントを知った上で、キッチンにより愛着を持つことができれば料理が楽しくなったり、積極的に人を招くことが増えたりその空間にいる時間そのものに変化が起こり暮らし方に影響するでしょう。是非お気に入りのキッチン空間をつくり、実際に使う時間まで豊かになるよう楽しみながら選んでみてください。
▶︎比較的水がかりのない場所に貫入タイルを用いると汚れもさほど気にならない。Motif

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