まったく同じタイルでも、張り方や目地の幅、色によって、
壁の表情や、空間全体の印象が変わります。
タイルという素材を扱ううえで押さえておきたい、ベーシックなポイントをご紹介します。
多くのタイルは、張る向きを自由に選ぶことができます。
それぞれの印象の違いを意識することで、
暮らし手やデザイナーが求める空気感を自在に表現することができます。
縦方向のラインが強調されるため、空間に高さが出て、スタイリッシュな印象に。
タイルで空間を引き締めたい時に。
横向きは空間のワイド感が強調され、安定感のある落ち着いた印象に。
狭い空間にゆとりを持たせたい時にもおすすめ。
ヘリンボーンと呼ばれる張り方。
ほかの空間と雰囲気を大きく変えたい場合や、
ホテルのような高級感を出したい時に。
割付とは、タイルのサイズや厚み、目地を考慮しながら
壁や床への配置の仕方を検討することです。
割付を大事にする現場は、空間から感じ取る美意識の高さも違います。
タイル1枚の大きさの半分以下の切りものが出てしまうと、
空間の美観を損ねることがあります。
端から張って小さな切りものが出てしまう場合は、割付始まり位置を変えて調整を。
美しい割付にこだわる現場では、一方の端から成り行きで張るのではなく、
壁のセンターを起点に張る場合や、
タイルの寸法を基準にして内壁や建物を調整する場合もあります。
※必ずしも一方の端を短くすることが悪いわけではなく、
人の視線が届きやすいところの長さを美しく揃えることがポイントです。